好きなことを無理せず楽しみたい

観劇や音楽鑑賞等について思ったことをそのまま書いてます。無理せず楽しむのがモットー。

ミュージカル「レディ・ベス」(10/18ソワレ)

ミュージカル「レディ・ベス」(10/18ソワレ)

 

 

 

http://www.tohostage.com/ladybess/

 

 

 

初見感想。

あんまり良いこと書いてないので嫌な人は読まないこと推奨。

 

 

 

 

 

コイケ先生ワールド。出てくるキャストやストーリーのせいか、ロミジュリとエリザ足した感じ。

舞台装置が円盤を組み合わせた形に星座があしらわれていて、映像や照明と合わせてとても綺麗でした。童話を1ページ1ページ捲っていくようにとても美しかった。

登場人物の衣装も上品な色使い。最後のベスの白いドレスは神々しかった。

 

レディ・ベス、色々強いたげられたけれど最終的に棚ぼた的に女王になりました?

もっと革命革命してるのかと思ったら、歌って和解して歌って和解して(それがミュージカル)、収まるとこに収まるという印象。

私はベスの行動や考えの理由がわからなくて、周りばかりが騒ぎ立てて、棚ぼた的に女王になったようにしか見えなかった。

 

 

ベスについては後述。気になった登場人物について。

 

ロビン@かとーさん。ひたすら不憫ロビン。かとーさんは不憫な役ばかり見る気がする。いつかハッピーエンドなって欲しい。(マタ・ハリもなんだか不憫な展開しか見えないけれど・・・)

吟遊詩人、ベスを外の世界へ連れ出してくれた人。ターザンでベス庭園に降り立つ(笑)

ロミジュリ的バルコニーのシーンも、ターザンして手が届かない・・・ってなってたの何だか面白かった(笑)その後普通に壁よじ登ってたし。最初からそうすればよかったのに。

ベスを一人の女として愛してくれたけれど、後半愛のために自由になろうはさすがに極端すぎる選択だったね・・・。

 

山口さんと涼風さん。

ミーハーなので、あれが山口さん!涼風さん!!と登場しただけで興奮してしまった。素敵な歌声、確かな存在感。

役どころとしては、ベスの味方としてはあまり押しが無くて、いまいちな人たちだったな・・・。ここぞという時押し切られ過ぎ、何も言わなさすぎと思ってしまった。

 

ゆんフェリペ王子。

ひたすら堪え忍ぶ展開が多かったので、フェリペ王子が癒しの存在だった(笑)スペイン調の音楽とか、振る舞いとか、見てて気持ち良かった。

あのかぼちゃばんつ的な衣装着てるのににじみ出るイケメン感。

 

吉野さん。

存在感抜群。暗躍しているのがかっこよかったな。足カカッて鳴らしてお辞儀するところとか、翻るマントとか。もっとかき回してくると思ったら、いいところで引ける頭のいいひと。

 

未来さんメアリー。

圧倒的な歌声と存在感。この人が一番この物語で一貫してたように思う。

 

首切り役人。

この人・・・なんでこんなにステージ上に出す必要があったのだろうか(笑)

存在感が強すぎて逆にベスとアンのやり取りが入ってこなかった(笑)胸元のVが大きく入りすぎてて無駄に肉感が。もう少し露出を抑えたほうが物語の邪魔にはならなかったような・・・。恐怖の象徴としたかったのだろうけれど、謎演出だった。

 

 

ベスお花様。

この方を一目見たいと思ってチケット取りました。神々しいし、芝居も説得力あって、本当に皇族を演じさせるために生まれたとしか思えないくらい華のある方。ドレスのさばき方も美しかった。

ただ、ベスは役として好きになれなかった。

 

 

ベスに何故納得いかなかったかと言うと、女王の決意を固める理由が掴みきれなかったから。民衆に持ち上げられて、生まれに振り回されながら女王になるという選択をしなければならない悲劇性が題材なんだろうけど、回りに色々流されながら、気づいたら敵が自滅して、いつの間にか女王になってたとしか感じられなくて、納得いかなかった。

決意を固められそうなエピソードとして、もっと民衆との邂逅を深めても良かったと思うのに、民衆との関わりも最初の酒場だけで、後は拷問受けたワイアットぐらい。ロビンとの関わりがあるけど民衆代表って感じでもなかったし。

とにかく狭い世界でひたすら耐え忍んでトラウマにうなされてるだけにしか見えない。民衆の思いや国への思いが感じられなかった。

 

母親アン・ブーリンの登場の仕方もつかみずらかったかなぁ。まず死者に口無しだけど、死んだ母親が亡霊となって自分は無実〜♪と何度も歌って出てくるけれど、ベスと母親が魂の邂逅をしているというよりは母親の出てくる悪夢にうなされているシーンに見えてしまって、見守ってる印象が受け取れなかった。そうなると、ベスは母親の真実を知るきっかけが曖昧になってしまうので、自身の無実を訴えてくのは根拠が弱く感じられた。かつ、婬売と言われてた母親がそうじゃないと歌ってるのにも関わらず、ロビンか女王の座か選択するときに、愛を大事に〜♪みたいに歌ってきて、あんたそれで苦しんだんだし、娘も苦しんでるんだから、そこは逆に立場を考えろと言うべきでは?とアンが分からなくなってしまった。

 

ベスを取り巻く人々も、ベスが強く出るととたんに引いて口出ししなくなるし、ベスに決断のきっかけを与える存在が愛と自由を訴えるロビンしかいないから何だか逆に女王にならせちゃって大丈夫?としか思えなかった。

 

 

1回しか見てないから色々間違ってるかもしれないけれど、初見感想。もう一度別キャストで見る予定だから、色々と変わってることを願って。