好きなことを無理せず楽しみたい

観劇や音楽鑑賞等について思ったことをそのまま書いてます。無理せず楽しむのがモットー。

MOZART!

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行って参りました~!!

帝国劇場、落ち着く。

 

以下感想です。

 

物語について

天才音楽家の華麗なる人生的な、ハッピー舞台をイメージしてたけれど、全然違った(笑)

モーツアルトも、「一人の悩める芸術家」という作品でした。

 

モーツアルト、神の子、大人になったらただの人 って言われてるの、まじで辛い。

才能はあるけれど、生きる力は強くない。人に騙されるし、感情に流されて冷静な判断はできないし、女運は悪いし、結婚した妻の家族にお金をたかられるし、家族やコロレド大司教からの束縛に悩まされ、がんじがらめの中で自分の才能を信じながら、音楽だけが友達。

真の意味での自由と、自分のために生きることを模索する若い一人の芸術家。

 

家族の絆がこんなにも見てて苦しいのはミュージカルでは初めてかも。

絆っていうか、呪いというか、毒親というか。

オポルトは天才を育てた自負と、自分が正しいと疑わず、子を自分の管理のもとに置きたがるのが毒親としか言えない。何度も家族の絆と脅しをかけて束縛してくる。

モーツアルトも、ここまで自分を育て技術を磨いてくれた父親を断ち切れないのがもうね、見てて辛かった。

姉も、父親との絆は断ち切れず、故郷からも離れられず、音楽も女という理由で表舞台には立てず、結婚して子供を産んで、そんな人生。苦しい、辛い。

 

役について

モーツァルト

 ゆんたくんのモーツアルト、ハマり役過ぎると思いました。

こういう、うだつの上がらない、浮世離れした美しい男を演じさせたら右に出る人がいなくない?ってくらい、ダメ男が似合う(笑)

どこか、私がそばにいて支えてあげなきゃ生きて行けなさそうな雰囲気がある。

 

才能はある、世渡りは下手。

父親の地の繋がりと恩にいつまでも囚われ、真の意味で独り立ちできない。

お前はどうなりたいのかという問いが、見てて苦しかった。

自分にも言われているみたいで(笑)

 

・コンスタンツェ

 晴香ちゃんの阿婆擦れ役、初めて見ましたが上手い~

今まで、清らかな役ばかり見てたので新鮮でした。

 

・ナンネール

不憫過ぎました。

和音さんの所作も雰囲気も歌声も好き~

 

・ヴァルトシュテッテン男爵夫人

かなめさんもタータンさんも両方見られました。

この物語で一番共感できる思考の人かも。タータンさんの男爵夫人のほうがちょっと硬質な感じがして、それが良かった。かなめさんのは少し愛情が優しい。

 

・コロレド大司教

山口さんってこうやってみると凄い大きいなと…

才能に嫉妬しているのがリアル。

プライドがチョモランマ級なのに、モーツアルトの才能は認めざるを得ず執着してしまうのが人間臭くて好き。

 

・レオポルト

市村さん大好きなんですが、レオポルト毒親としか思えなかった(笑)

家族の絆、自分が育てた、自分がいなければ息子は生きられないとか、どんだけやねん。

 

・アマデ

マスコット的だけれど、観察者のような。

鶴岡さんのアマデが、目の表情がすっごい好きでした。目が大きくて白目の部分も広いから、モーツアルトをじっと見つめ、観察する表情が絶妙。

上手く言えないのですが、無表情の中に見える表情が良かった。淡々としている感じ?

 

楽曲について

小池先生の作品ファンである限り、ミヒャエル・クンツェさんの楽曲とは離れられないんだろうな~と思った。

「僕こそ音楽」「星から降る金」が、終演後も耳に残ってた。

CD欲しいな~アッキーさんの僕こそ音楽の音源が欲しい。

アッキーさんの癖のつよ…自分のモノにしててアレンジの効いた僕こそ音楽を聴きすぎて、普通に歌っているのが新鮮(笑)

 

星から降る金のサビ、某ジブリの曲に重なる部分があって、頭の中で流しているとたまに曲が移行していってしまう(笑)

 

念願の作品を劇場で運よく見られて良かったです。

これも緊急事態宣言のせいで途中で千穐楽になってしまって悔しかったな…

 

何度も言うけれど、配信は代替案ではないのだ…と強く感じました。

負けたくないね。