好きなことを無理せず楽しみたい

観劇や音楽鑑賞等について思ったことをそのまま書いてます。無理せず楽しむのがモットー。

1789~バスティーユの恋人たち~ 再演

1789 ~バスティーユの恋人たち~

 
 
 
待望の再演!
ということで観に行って来ました。
とっても楽しみにしていたのですが、東京公演中は体調不良で2回しか観に行けませんでした。くそう。

 

 
2年前と演出は変わりはなく新しさというものはなかったのですが、とにかくキャスト一人一人のスキルアップと、それぞれの役柄の成熟度にひたすら感動していました。
初演も本当に良かったのですが、振り返るとキャストの熱意と勢いで舞台が進んでいくイメージで、多少の荒はあったのかなと思います。
歌も難しいものが多いので歌いこなすのが大変そうな印象もありました。
今回は歌もそれぞれがモノにしていて、そこにそれぞれの役柄の理解と深みが合わさって本当に舞台上にフランス・パリの人々が生きているように感じられました。
 
 
キャストが上記の1パターンしか見られてないのが本当にもったいなかったのですが、小池てっぺーくんとさあやの歌声が自分のツボにはまりまくって、観劇してからずっと耳に残って離れないです。以前発売されたCDを擦り切れるぐらい聴いてます。でもこのCDの時より全然今回のほうが二人とも素晴らしい。
さあやの歌声が特に好きで、柔らかく、でも芯があって清らかな印象の歌声が琴線に触れまくって歌声だけで泣きそうになってました。バイオリン弾きの時も凄く良かったし、今回もさらに良かったです。
 
てっぺーロナンの解釈が好きなんです。ロナンってその時々の周りの言葉に流され過ぎというか、行き当たりばったりで一貫性が無くって、唐突で、演じる人によっては何だこいつって思ってしまうのですが、てっぺーロナンはその不快感が無いというか。(加藤さんもそうです。今回は見られてないので割愛します)
周りの俳優女優陣が高身長で劇画タッチな中で、存在感が浮いていて異物感な所が逆に主人公たる存在感を放ってる気がします。
百姓出身なので無作法というか荒っぽい所作と色気、透明感があっていい。各場面での行動に対して、それぞれその瞬間に一生懸命彼なりに選択し前に進んでいると受け取れて不快感が無いです。自然。
 
それに対してさあやのオランプが、自立した女性として演じられているのが相性がいい気がします。才媛たる振る舞いと、王妃に対して誠実に尽くしている一方で、粗暴なロナンとの出会いで自分の生き方を考え悩む姿、そこから一人の人間として前を向いていくところが鮮やかだなって思います。
 
二人の歌声も相性が良い。フレンチロックなのでクラシカルに歌うよりはポップス調に歌った方が曲調には向いてるように感じられて、二人の歌い方やデュエットが声質も合っているのか聴いててすごくいいです。
 
その他の続投組プリンシパルは、さらに役柄を深めていて革命家チームはめちゃくちゃよくなってました。
ロベスピエールは新キャストでしたが、ゆんロべとまた違った色気のあるハスキーボイスなみうロべ素敵でした。こちらはとても情熱的。これも良き。誰のために踊らされているのかの体の柔らかい猫っぽいダンスとシャウトしながら歌っているのが熱かったです。顔面の圧が強かったなぁ。
 
岡さんのペイロール伯爵の迫力が増していて、普通に歌うと本当に美しい素敵ボイスなのにわざとデスボイス(違う)で歌っているのが、また荒っぽくって好きです。降伏したくなるよ〜。カテコでアントワネットをエスコートしてるのが絵的に素敵過ぎて好きです。
岡さん、インスタ見てると素敵男性過ぎて、完璧すぎて逆に近寄りがたい。
 
アルトワ伯は気持ち悪さに磨きがかかってた(笑)何回も見てようやくマジックのシーンのタネに気付けました。

 

秘密警察組、やっぱり可愛い。ナルステ以来岡田さんが気になってしまってつい目で追ってしまいます。あの大中小感、たまらん🐞🐝🐛

サカケンさんのラマールのコミカルさが物語の緩急を作ってて良いです。いい声だし、テントウ虫の時ワキ毛ちゃんと剃ってた(笑)2.5に慣れ過ぎて男性の腋毛に敏感になる(笑)

 

かなめさんアントワネットは美しさと可憐さに磨きがかかってて、前半の恋と快楽に盲目になってるところと後半の王妃の自覚を持つところが鮮やかでした。

 

ヒロくんフェルゼン、前回はマダムのツバメ感満載だったけれど、今回は恋愛してた。軍服姿がカッコよすぎる。
楽曲が好きすぎて、歌聴いてるだけで幸せだ〜。

 

 

革命家と民衆が命を懸けて自由と平等を勝ち取ったのに、史実だとこの後ロベピエの恐怖政治が待ってて皆ギロチン行きって考えると辛い・・・。アルトワ伯も亡命してから戻ってきて王政復古するのでしたっけ??
舞台上のフィクションではあるけれど、これからの史実上の結末が悲しすぎる。

 

 

 
全体的に歌唱力が上がっている中でアントワネットの歌声がちょっと悪い意味で浮いてしまっていた気がするのは私だけなのだろうか・・・。前回のほうが良かったように思えるぐらい今回何だかあれでした。お芝居や存在感が凄くいいだけに歌った瞬間覚めてしまう感じ。うむー。
凄く音域的に難しいのだろうなと思う。胸声で行くにはいくには高いし、頭声で行くには低くて響かせにくい感じ。やっぱりお歌の人ではないなと思ってしまうね。
 
 
今回は100回を超えるロング公演。プリンシパルキャストもそうだけれど、アンサンブルキャストの方々が本当に体を張ったパフォーマンスをしていて、特に最後叫ぶ声(リプライズ)~バスティーユ陥落までのアクロバットは圧巻でなんだか涙出た。以前も見てるはずなんだけれど生きてる!!って感じられて。他にもたくさんいいところあるのだけれど、ここは特に。
本当に最後まで怪我無く走り切っていただきたいです。
 
 
固定キャストしか見られなかったのが残念。龍さんのアントワネットもねねちゃん&加藤さんのペアも見たかったな。様子見て遠征しようか・・・。
まだまだ地方公演続きますが、誰も欠けることなく完走できるよう願っています。
本当に楽しい舞台を有難うございました!