La Strada『道』(12/10ソワレ)
La Strada『道』
観に行けた・・・!!
まず、一番大好きな劇場である日生劇場に、流司君が立ってくれたことが嬉しくて、妙に高揚しながらの初回観劇でした。
チケットが取れなさ過ぎて、ご縁で観ることが出来て幸せです。
物語について
『黒蜥蜴』以来のデヴィッド・ルヴォーさん演出舞台。
不器用で、上手く生きられない人達が、最後に少しだけ生き方を見つけられたような。
いくつかの道があって、選び進む物語。
ザンパノについて、正直どうしようもない男だし、共感もしたくないような男だと思っていたけれど、何故か感情移入できてしまう。
映画を見ないで初回は観たので、解釈が違っているかもしれないけれど、ザンパノは傷つきたくなくて周りを遠ざけてるのかなって思った。
本能のまま生きていて、同じことしか繰り返さない人物。でも、乱暴したり自分を強く見せるのって、人と関わることで自分が傷つきたくないから、近づいて来ないように追いやっているのかなと思ったり。
でも、本当に孤独にはなれない。恐い。誰かいて欲しい。
そんな中で、ジェルソミーナは頭も弱くて小さな女性、自分の思い通りにできる存在だからそばに置いて楽なのかなって。
逮捕されて皆に見放された時、ジェルソミーナが待っていてくれたことは彼にとって大きなことだったんじゃないかな。
ただ、大切にする方法を知らないから、やっぱり力で束縛するしかない。
書いててDV夫でしかないと思った(笑)
ジェルソミーナも、行くところが無いからザンパノの側にいるしかない。役割が欲しいけれどザンパノが怖くて機会を手放してしまう。
誰かにそばにいて欲しい気持ちはあるから、ザンパノが芸の役割をくれたこと、その場の嘘だとしても妻と言ってくれたことで関係性が生まれたことが嬉しかったのかなと思った。
だから、逮捕されてしまったザンパノを独りにすることも出来なくて、結局一緒にいることを選択してしまう。イネイブラーな妻だよね。共依存。
ジェルソミーナに、ちゃんと芸を教えてくれたのはイル・マット。
イル・マットと一緒に行っていたら、サーカスと共に行っていたならもっと彼女はちゃんと生きられたのかなと思った。
壊れてしまったジェルソミーナを、どうしたらよいか分からなくて、追いやって逃げてしまったザンパノ。
イル・マットが死んだのも自分が悪いのではないとずっと言い張る。
本当にどうしようもない。
でも、最後、ジェルソミーナの面影に触れて、後悔なのか、悲しさから涙するザンパノに、人間らしく泣くことが出来て良かったと思ってしまった。
ちゃんと泣けるんだって。
ちょっとだけ救われた気持ちになりました。
キャストについて
モリール
開演する前までは、主に他のキャストさんとちゃんとコミュニケーション取れてるのかなっていう別の心配でいっぱいでした(笑)完全に母親目線です。
お兄様方に可愛がってもらっている様子が多少漏れ伝わってきたのでほっとしつつ、映画にはいない役柄。ドキドキしながら公演当日を待っていました。
そしてこれですよ。
佐藤流司出演、音楽劇「道」フォトコール画像を公開! pic.twitter.com/b1uw5d5ibN
— 劇団ひまわりinformation (@himawari_press) 2018年12月8日
【初日メッセージです!】
— 劇団ひまわりinformation (@himawari_press) 2018年12月8日
音楽劇「道 La Strada」。本日、無事幕を開けました!
セレモニー・オブ・マスターであります“モリール”役、佐藤流司より
楽屋前よりお届けします!
※このデスメイクは日々、自メイクです。 pic.twitter.com/Me7GyxNdeE
この一人シザーハンズ!(笑)
本人好きそう(笑)
サーカスの小屋のような舞台装置で、サーカス団のマスターオブセレモニー役。
死を司っているということで、一人違う次元にいるような。
エリザベートのルキーニまではいかないけれど、物語の狂言回し的な存在なのかな?
声が、今まで童顔な外見に寄せた高めのトーンの役を観ることが多かったので、メイクで顔の幼さが隠された分、本来の低い声色が生かされてて、色っぽい声で好き。
セリフがとっても聞き取りやすかった。
コロスも含めて、ベテラン勢の中埋もれることなく、独特な世界観を作っていてすごい!って思いました。ジプシー設定は必要かよく分からなかったけれど、矛盾することを語る様子は、本人の中二病な所が生かされてて(笑)とっても様になってて良かったです。
始まる前から板についてて、じっと客席を見ている時が不気味。そこで徐々に世界観を作ってくれている。客側がサーカスの開演を待つ”観客役”になれる感覚。オンステージシートのお客さんも、背景の一つになっていて違和感がなかったです。
一回しか観られてないから、見ることで必死だったので、次回はもう少しそれぞれの役柄を見てみたいと思います。
出来れば、歌っているところも観たかったな。
そして、朗読劇やって欲しいと強く思いました。
ザンパノ
つよぽん、普段の柔らかい印象とは全く違っていて、声の発声も変えていて、全力でザンパノとして生きてた。
正直もっと大柄な男性が演じたほうが説得力がありそうな役ではあるけれど、体も作りこんで、声色も変えて、登場した瞬間の空気がヒリつく感じ、さすがだなと思いました。
ジェルソミーナ
16歳の透明感。ジブリのヒロインみたい。めちゃくちゃ良かった!
貧困の中で、お金で売られて、自分の居場所と役割を探している。
小柄でコートで着ぶくれしているシルエットが可愛かった。
イル・マット
海宝さんが登場した瞬間、舞台上が和らいだ気がしました。
それまでヒリヒリしていたのに、役柄が剽軽だからか、天から舞い降りてきて(天使の羽生えてたしね)、人をからかいながら笑いえる瞬間を作ってくれる。ジェルソミーナもそうだけれど。観客側もホッとできる存在。
歌声を聞きたかった・・・。
コロス
風ちゃん!
もう!まずあの衣装けしからんよね!
やっぱり元娘役さんは体のラインが美しい。というか見せ方が綺麗。眼福でした。
表情もころころ変わって、ラスト浜辺で歌う女は変わらず素敵な歌声でした。
いろんな役が観られて良かった。
風ちゃんを見ることで精一杯だったのでその他のコロス役が、誰がどれを演じているのかまだわからなかったのだけれど、歌から踊りからアクロバット、背景まで様々に変わっていく皆さんが素敵だった。
あと、生演奏。人数が少ないのに多彩な音色で、物語を彩ってた。サントラ欲しい。
公演も折り返し過ぎて、カンパニーもあったまってきてると思うので、今度見るのが楽しみ!
素敵な作品に出会わせてくれてありがとう、流司君!!
モリール役/佐藤流司さんコメント①
— 音楽劇『道』 (@michi_lastrada) 2018年12月9日
「今回の舞台は自分の役者としての新たな挑戦でありながら、キャストの皆様から学ばせてもらう事の多い、一石二鳥とも三鳥とも言える舞台だと感じております。(続)」 pic.twitter.com/UlrpVJRuL1
モリール役/佐藤流司さんコメント②
— 音楽劇『道』 (@michi_lastrada) 2018年12月9日
「(続)かなり奥深い作品だと思いますので、前日はしっかりと睡眠をとってからいらっしゃる事をお勧め致します。
それでは最後までよろしくお願い致します。」