好きなことを無理せず楽しみたい

観劇や音楽鑑賞等について思ったことをそのまま書いてます。無理せず楽しむのがモットー。

R&J(初日)

 

Rock Opera『R&J』(初日・6/16マチソワ)


rockopera-rj.com

 

 

初日から行ってきました。

ネタバレあり、マイナスな感想もあります。

  

 

 

ロミオなりゅじくん。想像以上にかっこよすぎました。

今日から私もリアコ枠?(笑)ってくらい、素敵すぎて、忘れられないです。

 

貫禄があった。

御茶ノ水ロックの始ちゃんとも全然違う。あの時の可愛らしさってもう出ないのでは?と思えるくらい。

本当に最初から最後まで研ぎ澄まされた演技とパフォーマンスで、彼にしかできないロミオを演じきってたことに感動。

 

 

冒頭はグルッパとビアンカズーリの抗争シーンから始まるのですが、遅れて登場した瞬間の安心感。

声が良いと再確認。セリフも聞き取りやすくって、体に響く。オラつくとちょっと怖く聞こえるんだけれど、ジュリエットとかに話しかけるときの優しい声色とかが本当に好きです。

そして、歌が本当に上手くなったよね…としみじみ思いました。

陣内さんにコングさん、アカネさん、れーふじたさん、と歌えて聴かせられるメンバーの中で、負けてなかった。今の声の艶とても好きです。

お芝居も、バカっぽいけれどどこか冷静さがある感じ。

ロミオとしては共感しやすかった。

 

そして、ジュリエットとのやり取りが、全て可愛すぎて、ピュア過ぎてもう辛い。

最高に眼福です。

 

バンビちゃん、紅白歌合戦で椎名さんのバックで踊っているのがとっても印象的で、録画を何度も観てたし、ダンサーとしてユニット時代から何となく知ってはいたので、今回出演されるのが個人的に大興奮でした。ダンス、生で見られるの嬉しい。

でも、ダンサーとして素晴らしいのは知っていても、お芝居については未知数過ぎてすこ~し心配ではあったのです。が、感性とセンスが素晴らしいのか、本当に初舞台??ってくらいお芝居も、歌も、ステージ上での見せ方も素晴らしかったです。目を奪われるとはこういうことか。松田会長の言う通り、下手すればロミオ負けちゃいそう(笑)

そして、楽しみながらも真摯に取り組まれているのが分かって、素敵な方だなって思いました。極度の人見知りで女子の扱い苦手そうなりゅじくんが(ファイブで女子との絡み、緊張で震えていたものね、笑)あんなに心開いて接してるの見て、バンビちゃん様様です。

 

ロミジュリの並び、フライヤーからして超強そうなんですけど、実際の二人は恋に落ちてからは愚かだけれどピュアっピュアで可愛くてどうしようもないですね!

本当にピッタリ。結ばれて当然な説得力のある二人だなと。

そして、負けず嫌いなりゅじくんなので、恋の相手として見ているけれど、凄く刺激も受けているんだろうなって思いました。お互い、熱い心の内がいい意味で高め合っててすっごくお似合い。

ロミオがジュリエットに告白するシーンも、歌はりゅじくんが、ダンスはバンビちゃんがそれぞれリードしながらお互いバチバチしてるのに、凄くキュートでピュアなシーンになってて、もうあそこエンドレスで見てたい(笑)

好きだ!っていう直感からの告白シーンも、りゅじロミオが言うと妙に説得力がある。畳みかけるように「一目ぼれって信じる?」って問い詰めて、ジュリエットが「信じる!」って答えるの、可愛すぎませんか?ええ、私はとてもニヤニヤしながら見てます。

 

結婚式挙げる所とか、大盛り上がりのデュエットソングがあるのかと思えばサクッと終わって笑えた。イチャイチャしてるの可愛い。

ジュリエットが、指でロミオにもっと一緒にいたいって誘惑するところも、なんかダンスの振付みたいに自然にセクシーキュートで、ジュリエット可愛すぎる。

ロミオもメロメロになるよね!

隙あればバックハグするロミオも、喜ぶジュリエットも可愛すぎて(可愛いしか言ってない)いいぞもっとやれ!って感じです。

 

このバカップル具合から、後半の引き裂かれていく過程が切なくて。

塔の上でデュエットするところが、声の相性も良くって、初日はちょっと崩れてたけれど、息もあってて素敵なシーンになってた。舞台装置が工場夜景みたいで、綺麗なんです。

ボロボロにいなっていくロミオ。束の間の逢瀬でただただ抱き合うの凄く切ない。

「またあえる?」「もちろん」のやりとりもさ~、は~~~しんどい。

 

そこから、まあ、ロミジュリなので、二人とも死に向かっていくのですが。

死にたいと零したロミオは、死に自由を見出していたのか。

ジュリエットが、ロミオとの明日を願って、仮死状態になって待ってるわけですが、故意なのかロレンス神父がその計画をロミオに告げずに悲劇は起こってしまうのです。

 

ジュリエットの葬儀での、ロミオの、魂の嘆きが切なくって。りゅじくんこんなお芝居できるようになったんだなって感動です。

キャピュレットに自由はないと言われてから、眠るジュリエットに「自由なんてない、どう思う?」と問う、言い方がね、迷子の子供みたいで、でも優しくって、どうしようもなくなります。

 

そこからの、熱唱のシーンですね。

ここではないどこか遠くへ届けるように必死に歌うロミオが、苦しかった。

一途に苦しいくらいに誰かを思い慕うりゅじくんが本当に美しく映った。

中指立てて潔く死ぬロミオがかっこ良過ぎた。

ここの演出には物申したい事もあるので後述します。

 

その後、ジュリエットが仮死状態から覚めて、ロミオにまた会えた喜びと、命を絶ったロミオに言葉も出ないシーンが本当に辛くて。あそこの、癇癪みたいに泣き叫ぶジュリエットがどうしようもなくて、泣けてしょうがないです。

 

ジュリエットが命を絶って暗転するのですが、そこで、白い服の人が転換を行うために真ん中に寄ってくるのが、天使が迎えに来たようにも見えて、これから天国に旅立つのかな~とも思ったり。

 

ここからは、個人的涙腺崩壊ポイントでして。

天国で再会する二人が描かれてるのですが、それが最高にしんどかったです。

初めて会ったときは階段に座るジュリエットを後ろからのぞき込むロミオだったけれど、今度は待ってるロミオをジュリエットが見つけて、ニコニコしながら近づくの。それをニコニコしながら待ってるロミオが可愛くって。

セリフはないけれど、身を寄せて楽しそうに話している二人が愛おしくって。

最後手を取って、階段上った後におでこ合わせて、キスして終わるの、ようやく、ようやく、自由に愛し合えるんだねってもう駄目ね。曲もアコギで優しく歌ってて。シーって、二人をこっそりのぞき見しているような、邪魔しないでねって演出が、ここの演出はとっても好きでした。

 

ロミオとジュリエットの二人についてはすっごく素敵に描かれてて好きだなと。

最後は、物語に没頭できればすっごく切なくって、しんどくって。

思い慕い、嘆くりゅじ君の演技が本当にこころにグサグサ刺さって。もっとこういう恋愛ものやって欲しいって思ってしまった。

 

 


佐藤流司&仲万美 Rock Opera『R&J』公開ゲネプロ丨エンタステージ

 

 

で、一通り、自身の萌えた部分については吐き出したのですが、作品としてはう~んという感じでして。悪くはないけど、残念。

出演者皆さんはとっても良いのです。クオリティーも高く、魅力的なお芝居をされてる。

 

脚本と演出があまり好みではなかったというのが正直なところです。

テンポが悪い。

客席参加演出に無理矢理感がある。ロックだから皆にノッて貰おうと言うのが、観てて窮屈だと言うか、押し付けに感じられて疲れた。参加させることに必要性を感じられない。

そんなことしないで、じっくり芝居が観たいんだ。観客サイドにもっと自由に観劇させてくれよって思ってしまった。

 

冒頭のピノキオの語りについて、導入は大切ですけれど、ロミオとジュリエットを知らない人のために前置きをって言うのが、親切なのか、客を馬鹿にしてるのか。

 

硬派にロックでアングラな臭いのする感じを想像してたので残念。

客席参加型故に、世界観に置いてかれると途端に冷めて見えてしまって。

 

後は、人間関係の描写が微妙だなと。

グルッパとロミオのやり取りも、何かテンポが悪いし、「俺たちは自由だ!」ってロミオが言うところも、イケコ脳な私は勝手に♪世界の王が流れ始めたのですが(笑)、ロミオマキュベンヴォでトリオソングとか歌ったり踊ったりすればグルッパの親密さとか伝わってくるのに。なぜ、そこで乳母が歌い始める。

せっかく元Jr.とかいて、踊れるメンバーなのに踊らせたりしないのか。

何だろう、グルッパが妙に冷たい関係に見えて魅力的に映らないんですよね。そういう意図なの??

でもそうすると、マキューシオが殺されたときのロミオのティボルトを殺めてしまう衝動まで発展しない気がして、何だか関係性の描かれ方がいまいちわかりにくい。

そもそもロレンス神父とヘレナの意図もいったい何だったか分からないし。

 

そして、悲しい気持ちでは帰らせないよう、最後みんなでパッパラするのですが、余韻に浸らせてくれ!!

という(笑)パッパラの暴力。笑顔で歌って踊れないわ(笑)

何なら、ロミオ引きずってるりゅじくんが心から笑えてないように見える(笑)

 

で、大変申し訳ないのですが、最後のロミオが死ぬときの、あの歌の演出は、感動と寒さの紙一重だなと。

物凄く心を込めて歌ってくれてるのは分かります。

挑戦的な演出なのは分かります。が、演出としてデスボイスのシャウトは必要なのか?ちょっと引いてしまった自分が居ました。


ところどころすっごく素敵な演出も、シーンもあるし、ステージングや照明も良かったですし、何より演者さん達のお芝居も素晴らしいところが沢山あったけれど、テンポの悪さとか、演出のしっくり来なさとか、私は、心から面白いとは思えなかったのが残念でした。 

 

純粋にロミジュリの悲劇部分はとっても好きなので、今後はそれを観に行きたいと思います。

何かが変わっていくことを期待してます。