好きなことを無理せず楽しみたい

観劇や音楽鑑賞等について思ったことをそのまま書いてます。無理せず楽しむのがモットー。

黒蜥蜴

黒蜥蜴

 
 

 
http://www.umegei.com/kurotokage/

 

 

 

 

耽美な世界だった・・・。

もう頭から最後まで中谷さんの美しさに酔いしれる舞台でした。美の暴力。ボコボコです。

 

中谷さんが美しいことは分かってたんですけれど、生で見ると本当に美しくって、あなたの存在が美術品です。

妖艶な黒蜥蜴がぴったり。体のラインが出る衣装ばかりでしたが、上品に着こなして、僕共が夢中になる理由も分かる。ひれ伏したくなる。毒のあるセリフ回しもすっごく雰囲気があって、最高としか言えない語彙力よ来い←

黒蜥蜴の犯罪における度胸と鮮やかな行動力の一方で、一人の女として孤独に震えるさまが鮮やかで、敵役だとしても人として愛おしい存在だった。ありのままの自分でいられたのが明智小五郎という敵対する存在しかいなかったのが可愛そう。

後は、爬虫類の称号ってなんやねんってずっと思ってた。青い亀、黄色いワニってどんな基準?

 

芳雄さんは、王子様や貫禄のある役も素敵なんだけれど、やっぱりどこか一本ねじの抜けた変わり者を演じるとき、とっても生き生きしていると思う。明智小五郎最高でした。あと、声がね、ヒーロー然としたいい声なんですよ~。この人なら解決してくれるっていう安心感もある声のトーン。松次郎(でしたっけ、名前が曖昧だ💦)から正体を現すときの声の感じが真打登場!って感じで気持ちいい。

なのに、色気もあって黒蜥蜴の前で男として存在するときは、またいっちょ前にカッコいいんだよ!もう!!

ミュージカルスターな芳雄さん。のわりに、観に行く舞台はストプレと半分半分。毎回、演技力と緻密な役作りに感動してます。

 

朝美ひかるさん、最初登場した時は気づかなかったです。普通におばさんが出てきたと思ったら、眼鏡取った瞬間の美しさったら・・・!

地味な役の時は地味に徹して、華やかさを出し入れできるのが凄い!

役としては可愛い。黒蜥蜴に夢中なのも、貰った宝石を甥のために換金しようとするところも、青い亀って言われて喜んでるのも可愛い。

いつも、静かに黒蜥蜴の側にいる。邪魔にならないけれど、必要な時存在感を放つ。

 

成河さんは、ルキーニと今作しかお芝居を観てないのですが、気のふれた役の演じ方が流石だなと。ふと正気に戻る瞬間とか、人の想像つかない思考を魅せることが上手いです。そして、それぞれ全く別人になっていて、言われないと成河さんだと気づけなかったです。

雨宮さん、この人も最初からかわいそうな人だったな。最後恋人と逃避行していったけれど、幸せを掴めたらいいなと思う。

 

相楽さんもお初ですが、お嬢様役素敵でした。可憐さと、したたかさ。最後変わり身役との演じ分けもすごかったです。

 

 

そしてずっと舞台の片隅で舞台を演出していたダンサーのお二人。出ずっぱりで大変だなってつい思ってしまったのですが、黒い蜥蜴が獲物を狙って身を潜めているようにも見えて、緊張感というか雰囲気を作り出してた。本当にお疲れ様です。

 

 

語彙力が無さ過ぎて感動が上手く言葉にできないのですが、素晴らしい舞台でした。見られてよかった。

パンフレットもすっごく世界観を反映したデザインになっているので、是非手に取って欲しいです。