好きなことを無理せず楽しみたい

観劇や音楽鑑賞等について思ったことをそのまま書いてます。無理せず楽しむのがモットー。

レディ・ベス(11/3ソワレ)

レディ・ベス(11/3ソワレ)

●キャスト
レディ・ベス(Wキャスト):平野綾
ロビン・ブレイク(Wキャスト) :山崎育三郎
メアリー・チューダー(Wキャスト):吉沢梨絵
フェリペ(Wキャスト):平方元基
アン・ブーリン和音美桜
シモン・ルナール:吉野圭吾
ガーディナー石川禅
キャット・アシュリー:涼風真世
ロジャー・アスカム:山口祐一郎

大谷美智浩 中山 昇 加藤潤一 寺元健一郎 石川新太
朝隈濯朗 石川 剛 榎本成志 奥山 寛 川口大地 黒沼 亮 後藤晋彦 杉山有大 武内 耕
田中秀哉 福永悠二 港 幸樹 山名孝幸 Christopher
秋園美緒 池谷祐子 石原絵理 樺島麻美 島田 彩 真記子 安岡千夏 山田裕美子 
吉田萌美

リトル・ベス(Wキャスト)
斉藤栄万・山田樺音
リトル・メアリー(Wキャスト)
石倉 雫・桑原愛佳
 
●スタッフ
脚本 / 歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽 / 編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出 / 訳詞 / 修辞:小池修一郎
翻訳:薛 珠麗
音楽監督甲斐正人
振付:桜木涼介
歌唱指導:山口正義 やまぐちあきこ
美術:二村周作
照明:笠原俊幸
音響:山本浩一
映像:奥 秀太郎
衣裳:生澤美子
ヘアメイク:富岡克之(スタジオAD)
指揮:上垣 聡
オーケストラ:東宝ミュージック ダット・ミュージック
稽古ピアノ:中條純子 宇賀神典子 宇賀村直佳
演出助手:小川美也子 / 末永陽一
舞台監督:廣田 進
プロダクション・コーディネーター:小熊節子
プロデューサー:岡本義次 / 服部優希 / 篠﨑勇己
製作:東宝

<STORY>
16世紀イギリス。ベスは国王ヘンリー8世の娘にも関わらず、母が反逆罪の汚名を着せられ処刑されたため、片田舎で家庭教師達と共に勉学に勤しみながらひっそりと暮らしていた。
王女らしい理知と少女らしい好奇心に満ちたベスは、ひょんなことから出会った吟遊詩人ロビンに反発しながらも淡い恋心を抱き始める。
しかし、つつましくも平穏だった日常は、彼女が現国王である姉メアリーに対して反逆を企てているとの疑いを掛けられ一変する。
忠義心をメアリーに信じてもらえず、司教ガーディナーやスペイン大使ルナールに陥れられ、ついにロビンとも引き離されロンドン塔に投獄されてしまう。
だがメアリーの圧政に不満が溜まった民衆からは、「ベスを女王に」という声が次第に高まっていく。ベスが選ぶ道は、女王として国を導く人生か、1人の女性としての幸せか、果たして――。

 

 

 

  

レディ・ベス2回目!今回は楽しく見られました。
前回と違うキャストVer.両方見られて嬉しい。しかも真正面で舞台全景がよく見えた(前回はサイド席)ため、ストレスフリーでした。

何だろう、ストーリーは前回と変わらないのだけれど、一回目に比べたら冷静に見られた。色々思い違いもしていたところもあって、再確認できてよかった。後は、今日のキャストさんのほうが、役に対するアプローチだったり解釈が自分の好みに合ってたというのが大きいかも。

レディ・ベス@平野さん
芯の通った強いベス。生まれの運命に翻弄され、虚偽をかけられひたすら苦悩する王妃だけれど、雰囲気や佇まいがどちらかというと凛として強く、初めの頃は世間知らずでちょっと傲慢なところもあって。そこからロビンとの出会いで外の世界とのつながりに目を向けて、態度を改めていく移り変わりが鮮やかだった。
不実の罪でとらえられた後も、苦悩はするけれど気を強く、くじけない様子が王妃としての威厳を保っているように見え、自身を悲観しすぎて頼りない印象ばかりにならず、その後のメアリーとの和解、ロビンとの別れ、女王即位と安心して見てられた。
多分、ベスに対して庇護の対象とした演出をされるとダメなんだと思った。お花様のベスは女王としての品格や雰囲気は本当に素晴らしかったけれど、絵本の中のお姫様のように少女性と庇護欲全開な感じが、逆に女王になるにあたって頼りなさが際立ってしまったように思った。平野さんベスもやっぱり市民との関わりは序盤だけで、女王になるにあたって市民に対する関心や国への思いというものは脚本一緒だし変わらず薄いんだけれど、最初から女王然としているというか、強い女性として描かれているから、逆境にも打ち勝てそうだし、知性も感じられた。だから、最後愛か国か選択を迫られるところも、両方が同じ土台で天秤にかけられているように見えたし、この人なら愛ではなく自身の使命を選ぶこと、それを全うしていくだろうという様子が想像できた。
声も通るし凛として綺麗だし、歌声も力強くて本当に素晴らしかったです。舞台で平野さんを見るのは初めて。ハルヒの印象しか知らなかったので、とっても素敵な女優さんだと思いました。

ロビン@育三郎さん
加藤ロナnじゃなくてロビン(ややこしい)と全然違った!ナルシストっぽい(笑)気の強い平野ベスに対してこのロビンはぴったりだと思った。お互い気が強くてバチバチしているから、対等な感じがして、恋人同士にちゃんと見えた。ケンカップル。むかつくのに気になっちゃう。
最後、ベスに全部捨てて俺を選べよ!自由の翼で飛び立つんだと言い切ってくるのも良かったし、きっとそう必死に訴えながらもどこか、女王の立場を選ぶだろうと察してる様子も見えて、包容力のあるロビンだった。

フェリペ王子@平方さん
私はこの物語でフェリペ王子が一番好きなようです(笑)登場の歌がカッコいいのと、悪者を一刀両断していくのが気持ちいい。メアリーとの政略結婚が逆にかわいそう。
歌声も平方フェリペ王子は力強くて、軟派男だけれど頼れるクールヘッドだった(笑)

メアリー@吉沢さん
未来さんの強そうなメアリーの印象に比べたら線の細いメアリーに感じた(笑)
声質が平野ベスと合っているので、最後の二人の和解の曲がとっても素敵だった。

アン・ブーリンについても印象変わったかも。前回は亡霊っぽくって、ベスが憑りつかれてうなされてるようにしか見えなかったけれど、今日のは、ベスが強いせいか母親がちゃんと見守ってくれてるように見えた。愛か国か選択の時も、アン・ブーリンが愛を選べっていうより、あらあら恋しちゃったのね、人を愛するのは尊いよね、満たされるよねとその思いに寄り添ってくれてる感じだったので存在に対する矛盾を感じなかった。やっぱりベスの演出によって受ける印象が変わるのかも?
首切り役人も前回ほど気にならなかった(笑)お花様が妖精さん過ぎて、肉肉しい首切り役人が合わなかったのか?
ロジャー先生も前回は、何だかいまいち存在感が薄く感じてたけれど、今日は貫禄が増して?いたように感じられて、ベスを教え導いているのが分かり、ベスが女王を選択する道筋にきちんとなってた気がする。何が違うのかいまいち分からないけれど。


衣装も・舞台装置も・キャストの皆さんも粒ぞろいな、とても良質な舞台でした。ただ、やっぱりベスが魅力的に映るかどうかで物語に共感できるか、楽しめるかが大きく変わるかも。