好きなことを無理せず楽しみたい

観劇や音楽鑑賞等について思ったことをそのまま書いてます。無理せず楽しむのがモットー。

ビリーエリオット(9/2ソワレ)

ビリーエリオット

 

 ○キャスト
加藤航世 木村咲哉 前田晴翔 未来和樹 / 吉田鋼太郎 益岡 徹 / 柚希礼音 島田歌穂
久野綾希子 根岸季衣藤岡正明 中河内雅貴小林正寛/栗山 廉(Kバレエ カンパニー) 大貫勇輔
森山大輔 家塚敦子 大塚たかし 加賀谷真聡 北村 毅 佐々木誠 高橋卓士 辰巳智秋 橋本好弘 羽鳥翔太
原慎一郎 丸山泰右 横沢健司 木村晶子 小島亜莉沙 竹内晶美 三木麻衣子 秋山綾香 井上花菜 出口稚子
古賀 瑠 城野立樹 持田唯颯 山口れん 香好 佐々木琴花 夏川あさひ
遠藤美緒 大久保妃織 小野梓 久保井まい子 佐々木佳音 高畠美野 近貞月乃 並木月渚 新里藍那 堀越友里愛
小溝 凪 笹川幹太 山城 力 岡野凜音 菊井凜人 桜井 宙

○スタッフ
●ロンドンオリジナルスタッフ
脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーブン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン
振付:ピーター・ダーリング
美術:イアン・マックニール
演出助手:ジュリアン・ウェバー
衣裳:ニッキー・ジリブランド
照明:リック・フィッシャー
音響:ポール・アルディッティ
オーケストレーション:マーティン・コック


●日本公演スタッフ
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
演出補:甲斐マサヒロ
振付補:前田清実
音楽監督補:鎮守めぐみ
歌唱指導:山川高風
照明補:大島祐夫
音響補:山本浩ー
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク:studio AD
擬闘:栗原直樹
演出助手:西祐子、伴・眞里子
舞台監督:徳永泰子
技術監督:小林清隆
プロダクション・マネージャー:金井勇一郎


●コーチ協力
バレエコーチ:K-BALLET SCHOOL
タップコーチ:Higuchi Dance Studio
クロバットコーチ:コナミスポーツクラブ

1984年、炭鉱労働者たちのストライキに揺れる、イギリス北部の町ダーラム。主人公ビリーは、炭鉱労働者の父と兄、祖母の4人暮らし。幼い頃に母親は他界してしまい、父と兄はより良い労働条件を勝ち得ようとストライキに参加しているため、収入がなく生活は厳しい。

父はビリーに逞しく育って欲しいと、乏しい家計からお金を工面し、ビリーにボクシングを習わせるが、ある日、バレエ教室のレッスンを偶然目にし、心を奪われたビリーは、少女達と共にレッスンに参加するようになる。
ボクシングの月謝を使って家族に内緒でバレエ教室に通っていたが、その事を父親が知り大激怒。バレエを辞めさせられてしまう。しかし、踊っているときだけはツライことも忘れて夢中になれるビリーは、ダンサーになるという夢を捨てられない。そんなビリーの才能を見出したウィルキンソン夫人は、彼の夢を叶えたい一心で、まるで我が子のようにバレエを無料で特訓をし、イギリスの名門「ロイヤル・バレエスクール」の受験を一緒に目指す。
一方、男手一つで息子を育ててきた父は、男は逞しく育つべきだとバレエを強く反対していたが、ある晩ビリーが一人踊っている姿を見る。それは今まで見たことの無い息子の姿だった。
ビリーの溢れる情熱と才能、そして”バレエダンサーになる”という強い思いを知り、父として何とか夢を叶えてやりたい、自分とは違う世界を見せてやりたい、と決心する、、、

11歳の少年が夢に向かって突き進む姿、家族との軋轢、亡き母親への想い、祖母の温かい応援。度重なる苦難を乗り越えながら、ビリーの夢は家族全員の夢となり、やがて街全体の夢となっていく・・・

(参照:http://billyjapan.com/

 

 

 
 
世界的に有名な作品。
観劇きっかけはちえさんが出るから。だけど、本当に素敵な作品に出会えました。
ちえさんの参加する作品はどれも素晴らしい作品ばかりですね。
 
 
とにかく、終始涙が止まらなくって、自分がこんなに涙もろい人間だったっけ?と困惑しながら観てました。ビリーが凄く良かった。そしてそれを囲む大人たちも本当に温かかった。
 
まずこんなに子供がキャストとして出ている舞台が初めてで、皆とっても素敵に演じてて、かつ演じるというよりは精一杯表現したい!踊りたい!!ってエネルギーをビシビシ感じて、それに涙腺を動かされまくるという状況。
 
バレー教室のシーンも泣けてくるし、ビリーのダンスシーンは全部自然と涙が流れてた。
小さな体から迸るエネルギー、バレエ、器械体操、タップ、ヒップホップ全部で表現しているところに胸が熱くなってダメでした。
お父さん(益岡さん)の頑固で、でも、ビリーのダンスに最後は心動かされ、一生懸命応援している姿が良かった。一方で、仕事や立場も捨てきれなくて苦悩する姿に、そっちの立場も分かるよ!苦しいよ!!と一番感情移入して見てたかも。
エリオット一家のバラバラだけれど、ロイヤルバレーのオーディション結果待ちのところでそわそわしているシーンなんかはほっこりして、素敵な家族だなと。
お兄ちゃんは、一番自分の将来に対して危機感を感じている中で、家族と、プライドとの葛藤が見ていて辛かった。
 
マイケルの、自己表現として女装する一方で、ビリーのバレーについては気持ち悪いと言っているのが、なんだかリアルだった。でも、ビリーの背中を押してくれる一助になっている存在で、とっても愛おしかった。最後の自転車で別れを告げるシーンは友情か、恋慕か、感謝か。
 
安易だけれど、ビリーとお母さんとの魂の邂逅シーンはどのシーンも涙腺を刺激されまくって。お母さん役の人の歌声もね、あの、駄目でした。
 
そして、一番見たかったちえさんのウィルキンソン先生。二流バレエコーチだけれど、過去の自分にも酔っていながら、ビリーの才能に掛けてくれているところ、どこか温かさも感じて第2の母親だった。すっごくはまり役だと思う。強がって、ついビリーに対して突っぱねる発言をしてしまうのだけれど、誰よりもバレエを踊るビリーを応援してくれてて、これから一人で一流バレエ団で頑張らなければならないビリーの重荷にならないよう振り返るなと言ってくれて。ちえさんがもともと持っている人を包み込む温かさがにじみ出てて、人間味のある素敵なウィルキンソン先生でした。
そして、やっぱりすごくスタイルいいなーと思った。足長すぎる。最後のカーテンコールでチュチュ姿で登場した時、華やかさとスタイルの良さにうっとりしてしまった。本当にきれいになったな、ちえさん。元々きれいだけどさ。
 
オールダービリーとの白鳥の湖。今回位は栗山さん。孤高のプリンシパルとなったバレリーナとして圧倒的な存在感を醸しつつ、ビリーと夢のダンス。すっごく一つ一つの所作が美しくて、瞬きを忘れて見てしまった。
大貫さんVer.も見たかった。
 
 
ビリー以外は救われない物語。それでも、唯一の光となったビリー。彼のこれからの生涯がどのようになったのか、その続きが知りたいと思いました。
 
 
 
長い公演、皆さんが怪我無く最後まで終えられますように。